顎関節症は、顎の関節やかみ合わせのズレのほかに、顎や首の筋肉疲労、ストレス、不良な姿勢などが重なり合って発症し ます。 症状の発現は顎関節のみならず頭部・首・肩など広範囲に発現します。 そのため歯の治療が第一選択ではなく、痛みや機能障害を無くすか軽減する治療が優先される疾患です。 そして、大部分の顎関節症は理学療法・薬物療法などの保存的治療と家庭療法で改善できます。 また、歯科のみならず医科的な知識が必要になりますので熟練した歯科医師または、医科や口腔口外科との連携によって、よりよい治療結果を得ることができるでしょう。 また、症状が顔面・首にまで及ぶのでTMD(Tenporo Mandibura Disoders:側頭下顎部障害)と呼ばれています。
原因は多因子的で様々な要因が重なって発症します。 代表的な原因は
ほとんどの顎関節症は手術や歯を削るなどの不可逆的な治療を必要としません。 大部分がスプリント療法・理学療法・薬物療法など保存的療法で症状が改善されます。 ここでは、代表的な保存療法について紹介します。
約二年前より口を大きく開けると顎に痛みがあり、口を大きく開けられない。 約2cm位しか口を開けられない状態で来院。
朝起きたときや仕事中に顎に痛みやだるさを覚える。いつも頭痛に悩まされる。食事中、顎を動かしているとだるくなってくる。 いつも同じ姿勢で仕事をしているなど顎関節症を疑わせる症状を確認。
認知行動療法・温湿布・超音波療法・スプリント療法にて約3ヵ月後開口時の痛みは完全に消失し、4.5cmまで口を開けられるようになる。
セルフケアの習慣が身についたので定期的な検診のみとなる。かみ合わせに問題があり、矯正治療の必要性のある患者さんでした。矯正治療で顎関節症が治るとは限りませんが安定したかみ合わせはセルフケアを容易にし、再発を防止することができます。
硬い物を噛むと顎が痛い 朝、口が開かないことがあることを主症状として来院 歯ぎしりがある 歯のかみ合わせが左にずれている など顎の筋肉と顎関節に異常な負担のある状態であることを確認 薬物療法・スプリント療法にて症状は消失。
また、調子が悪いときはストレッチやスプリントの装着など自分自身でコントロールできるようになったため、定期的な検診のみとなる。