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矯正のあれこれ

2023.06.28

矯正でヘッドギアを使う目的は?効果や治療の目安、注意点を解説!

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こんにちは。さっぽろ矯正歯科クリニック、歯科衛生士の小坂です。

 

今回は、矯正治療において使用される装置の一つであるヘッドギア装置についてお話したいと思います。

 

ヘッドギア装置は患者様本人が毎日自分で行わなくてはいけないため、面倒だと感じている方も多いと思います。

 

しかし、矯正治療の中でもヘッドギア装置はとても大切な意味を持っています。

 

矯正治療でヘッドギア装置を使用する目的や効果、必要な装着時間や、ヘッドギア装置を使用する上で注意する点などをご紹介します。

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矯正治療のヘッドギア装置とは?

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ヘッドギア装置は、主に子供の成長期に用いる着脱式の矯正装置です。

 

頭部を固定源として、ゴムの力で上顎の骨を後方に引っ張って上顎の骨の成長を抑制させたり、歯並び全体を後退させる効果があります。

 

ヘッドギア装置は、フェイスボウと呼ばれる金属の装置、上顎の大臼歯に固定する装置、頭に被るヘッドキャップという装置で構成されています。

 

ヘッドキャップを頭に被ることで頭部を固定源として、モジュールというゴムを使い、上顎に対して後ろへ引っ張る力をかけて移動させます。

 

当院では主に、小学生〜高校生の矯正治療で用いられ、出っ歯(上顎前突)を改善する目的で使用します。

 

 

矯正治療のヘッドギア装置の効果

ヘッドギア装置を使用することによる効果について詳しく見ていきましょう。

 

上顎の骨の成長を抑制し、出っ歯を改善する

ヘッドギア装置は上顎の成長を抑制する矯正治療なので、上下の顎の位置をコントロールし、子供の出っ歯を改善する際に使用します。

上顎の骨を後方に引っ張ることによって、上顎の成長を抑制します。

 

上の歯並び全体を後方へ移動し、噛み合わせのバランスを整える

上の歯並び全体が前方に出ている場合、歯並び全体を後方へ移動する効果があります。

それにより、噛み合わせのバランスを整えることが可能です。

 

成人矯正では、上顎の大臼歯が前方に動かないようにする

矯正で抜歯をした場合、上顎の大臼歯を固定し、前方に動かないようにする目的でヘッドギア装置を使用する場合があります。

 

 

矯正治療のヘッドギア装置の治療目安とは

ヘッドギア装置の効果を得るためには、決められた装着時間を守らなければなりません。

 

ヘッドギア装置を使用する必要がある時間や期間については、症状や治療内容に合わせて歯科医師が個別に指示をします。

 

就寝時に使用してもらい、1日あたり最低8時間以上、できれば10〜12時間以上の使用が望ましいです。

 

ただ、ヘッドギア装置を使用する期間自体は、矯正治療を行っている全ての期間というわけではありません。

矯正治療の処置の中の一つとして、数ヵ月ほどの期間で行われることが多いです。

 

ヘッドギア装置の着脱は慣れるまでは時間がかかってしまいますが、慣れてしまうと簡単に着けたり取り外したりできるようになるので安心してください!

 

ヘッドギア装置の使用には患者様本人の協力が必要です。

長時間の装着が必要なため、保護者の指導が大切な場合があります。

矯正前に十分に説明を受け、疑問点があれば解決した上で始めます。

 

 

矯正治療でヘッドギア装置を使う際の注意点

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ヘッドギア装置は患者様本人が毎日処置・管理を行う必要があるため、特に下記の点に注意しましょう。

 

装着時に痛みがある

個人差がありますが、ヘッドギア装置を装着した際、最初の3〜5日間は痛みを伴う場合があります。

歯が動き始めると痛みが出やすくなりますが、それは正常な反応です。

1週間程度でだんだん痛みがおさまってきます。

 

しかし、痛みが強く我慢ができない場合は、すぐに相談してください。

食事の際にも奥歯に痛みが出る場合がありますので、栄養のバランスに気をつけながら、やわらかい食べ物から食べるようにしましょう。

 

慎重に取り扱う

ヘッドギア装置は慣れるまで痛みや違和感がある装置です。

舌や指で触ると壊れる原因となりますので、慎重に取り扱う必要があります。

 

フェイスボウは、上顎の奥歯に装着されているバンドのチューブに挿入します。

毎日起床時にフェイスボウという装置が外れてしまう場合は調整が必要になります。

 

ヘッドギア装置の保管の際はお渡しする専用のケースに保管し、フェイスボウは毎日水洗いが必要です。

 

万が一フェイスボウが折れたり曲がったりしてしまった場合や、口の中に装着しているバンドやチューブが壊れてしまった場合は、ヘッドギア装置の装着を一旦使用を中止し、すぐに相談してください。

 

装着時間や期間を守る

ヘッドギア装置は矯正治療の内容の一つです。

院長はヘッドギア装置のゴムの強さなどを計算したうえで矯正治療の計画を立て、患者様にヘッドギア装置の指導をしています。

 

ヘッドギア装置をするのが面倒、または違和感があるからといって指示通りにきちんと行っていないと、治療期間が長引く可能性も。

歯の動きが鈍くなり思っていた以上に時間がかかってしまうばかりか、噛み合わせにずれが残るリスクもあります。

 

ヘッドギア装置は患者様本人で毎日行わなければならないので大変ではあります。

ですが、スムーズな矯正治療を行うためにも院長の診療や指示に従って必要な時間・期間をきちんと守るようにしましょう。

 

まとめ

●ヘッドギア装置は出っ歯(上顎前突)を改善する目的で使用します。

特に子供の歯科矯正で用いられることの多いものですが、大人であっても効果のある治療法です。

●上顎の骨を後方に引っ張って上顎の骨の成長を抑制させたり、歯並び全体を後退させる効果があります。

成人矯正では、抜歯をした場合に上顎の大臼歯を固定し、前方に動かないようにする目的で使用します。

 

●ヘッドギア装置を使用する時間や期間は歯科医師が個別に指示をしますが、1日あたり最低8時間以上、できれば10〜12時間以上の使用が望ましいです。

 

●ヘッドギア装置は自分で着脱しなければならず、着用方法が間違っていたり、着用時間を守っていなかったりする場合は十分な効果は得られません。

患者自身の意思次第で治療の進行具合は変わってしまうのです。

 

●適切な方法で十分な効果を得るためにも、院長と相談しながら治療に取り組むことを心がけましょう。

矯正治療に関して不安なことがあれば、さっぽろ矯正歯科クリニックへお気軽にご相談ください。

 

LINE@からのご相談も承っております。

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