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矯正方法・器具のお話

2017.09.30

マウスピースで矯正ができる!?効果や知っておきたいポイント

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こんにちは。さっぽろ矯正歯科クリニック、院長の桜田です。

 

歯に矯正装置を固定しない「マウスピース矯正」をご存知ですか?

日本ではまだ新しい矯正方法ですが、海外では研究が進み、様々な症状の治療に対応してきています。

 

今回はマウスピース矯正の概要や特徴、メリット・デメリットを紹介します。

 

マウスピース矯正は歯に装置を固定しない矯正方法

マウスピース矯正とは、取り外しのできる透明な薄いプラスチックのマウスピースを装着して少しずつ歯の位置を動かす矯正治療です。

一人ひとりにあわせて作製されたマウスピースを、歯並びや歯の移動に合わせて段階的に取り換えながら、理想の歯並び・噛み合わせに整えていきます。

 

費用は上下で約60万円からで、矯正の内容によって増減します。ワイヤーブラケットに比べると比較的低価格と言えます。

マウスピースは2週間程度ごとに取り換え、治療期間の目安は1年~1年半程度です。
※症状や治療内容によって費用・治療期間は異なります。

 

マウスピース矯正は、外国では研究が進み、難しい症例の治療も可能という報告もされています。

積極的に治療にも取り入れられ、そのメリットの大きさから2016年12月現在、世界中で420万人以上が治療を行ったとされています。
(マウスピース矯正の一つ「インビザライン」を使用した人の数なので、他のマウスピース矯正を加えるともっと多くの人に施術されているでしょう。)

 

日本の矯正治療の中ではマウスピース矯正はまだまだ新しい治療法の一つですが、マウスピース矯正を中心として治療するクリニックも徐々に増えてきています。

とはいえ日本ではまだ、軽い症状の矯正治療やワイヤー矯正で整えた後の仕上げとして用いられることが多く、複雑な治療を伴う場合はワイヤー矯正を勧めるケースが大半です。

マウスピース矯正は、これからの普及・技術の進歩に注目が集まっている治療法ともいえるでしょう。

 

マウスピース矯正は小学生からでも始められる

マウスピース矯正は乳歯が残るⅠ期の矯正治療として用いられることもあります。

子どものマウスピース矯正は、就寝中+日中数時間程度と装着時間が短く負担が少ないため、子どもの矯正治療としてもオススメです。
(症状や治療内容によって装着時間は異なります。)

永久歯と乳歯が混在している6~7歳頃に開始することが多いですが、症状によってはもっと早く始めることもあります。

 

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正の最大のメリットは、何と言っても歯に装置を固定することなく、自分で取り外しができる点です。

取り外しができ、装着も容易なことで、他の矯正治療にはない様々な利点があります。

 

食事や歯磨きの時は外すことができる

自分で矯正装置を取り外せるので、食事や歯磨きの時は外して矯正前と同様に行うことができます。

ワイヤーブラケットにありがちな、矯正装置に食べかすが引っかかったりすることもありません。

歯磨きも普段通りできるので、磨き残しに注意しながらしっかり磨くことができます。

 

虫歯治療やホワイトニングと並行して行うことができる

歯に固定するタイプの矯正装置の場合、固定する歯が虫歯だと、虫歯の治療が終わるまで矯正治療が始められません。

マウスピース矯正は、虫歯治療の時はマウスピースを外すことができるので、虫歯治療やホワイトニングと矯正治療を並行して行うことができます。

 

透明なマウスピースで周りに気づかれにくい

マウスピースは薄く透明なので、装着していることが周りの人には気づかれにくいです。

矯正をしていることを周りの人に知られたくない人や、お仕事上矯正装置が見えてはいけないような方にも向いています。

 

装置に金属を使わず痛みが少ない

プラスチックのマウスピースを使い、装置に金属を使わないので金属アレルギーの方でも安心して装着することができます。

少しずつマウスピースの形も変えながら歯を移動させる矯正治療なので、歯の痛み(矯正痛:装具で歯が引っ張られるような違和感や痛み)は他の矯正方法と比べても比較的少ないと言えます。

 

スポーツや楽器の演奏などをする人でも快適に過ごせる

格闘技やラグビーなどの激しいスポーツをする人は、ワイヤーなど金属の矯正装置を着用することで口腔内のケガのリスクが高まります。

一方、マウスピース矯正では、スポーツ用のマウスピースに付け替えることができるので、口腔内のケガの抑止につながります。

楽器の演奏を行う場合も、金属の矯正装置では演奏の妨げになることがありますが、マウスピース矯正なら「演奏の邪魔にならない」「本番だけ外して演奏する」といったことが可能になります。

 

マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正はメリットが多い反面、デメリットもあります。

 

1日20時間以上、指示された通りに装着しないと治療期間が延びる可能性がある

マウスピースは食事や歯磨きの時以外はずっと装着していなくてはいけません。

自分で取り外しができるということは、装着忘れの可能性もありますので注意が必要です。

※比較的症状の軽い方であればDENマウスピースやクリアアライナーなど、一日の装着時間が短いマウスピースもありますので、矯正歯科医にご相談ください。

 

歯を大きく移動する治療には向いていない

マウスピース矯正は歯を少しずつ移動させる矯正方法なので、歯を大きく動かすには長い期間がかかってしまい、あまり向いていません。

そのような場合は先にワイヤー矯正などである程度歯並びを整えてから、仕上げとして使用することをオススメします。

事前にワイヤー矯正を半年~1年程度行うことで、マウスピース装着期間を短縮することができます。

 

通院の頻度が高い

定期的に歯並びの型を取り、マウスピースを作製・交換しなくてはいけないので他の矯正方法よりも通院回数が多くなります。

※世界中で注目されている最新技術のマウスピース矯正「インビザライン」なら、歯型の採取は最初の1度のみです。

従来のマウスピース矯正の通院回数1カ月に1度程度に対し、インビザラインは2~3カ月に1度と、負担の少ない矯正治療です。

 

虫歯のリスクがある

マウスピースで長時間歯を覆うので唾液の流れが悪くなり、虫歯のリスクが上がってしまいます。

※食事の後はマウスピースを装着する前にしっかりと歯磨きをするようにしましょう。

デンタルフロスやマウスウォッシュ、フッ素ジェルなども使用して口の中を清潔に保つとより効果的です。

就寝中は虫歯リスクが特に高まるので、夜の歯磨きの後にはマウスピースの中にフッ素ジェルを入れ、歯に浸透させると良いでしょう。

 

まとめ

・マウスピース矯正は、透明なプラスチックのマウスピースを装着して少しずつ歯を移動させる矯正方法。矯正期間は1年~1年半程度、費用は上下で60万円~程度です。(※症状や治療内容によって費用・治療期間は異なります。)

・歯に矯正装置が固定されていないということがマウスピース矯正の最大のメリットです。食事や歯磨きなども普段通りに行うことができます。

・マウスピース矯正は大きく歯を移動させる必要がある症状には向いていません。その場合はワイヤー矯正などと組み合わせて治療を行うと良いでしょう。

 

目立たず、取り外しが可能なことで患者さんへの負担が少ないマウスピース矯正。

マウスピース矯正が向かない症状やデメリットもありますので、特徴をよく理解してご自身の悩みや症状に合った矯正治療を選びたいですね。

 

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